2009フランス&スイスの旅

◆2日目(7月16日)晴れ

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◆シャモニーへ


バスターミナル

 7時、朝食。食堂には日本人の団体客が居た。
 8時、チェックアウトして、8時半発シャモニー行きのバスに乗ろうとバスターミナルへ急いだ(写真上)。ホテルから5分の距離であった。待合室で日本人男性2人組と知り合った。YAMADA さんとKIKUCHIさん。50代後半、未だ現役だが山登りを楽しむ為夏は毎年シャモニーで過ごしているという。シャモニーの山に詳しいお二人に尋ねてみた。初心者でも登れるお奨めのポイントは? 二人が推奨してくれたのは、フローリア。花一杯で展望も良いと。よし、今日は、其処に行ってみることにしよう。

◆フローリアへ


シャモニー駅

Hotel de L'Arve に到着

 凡そ1時間半の走行でシャモニー駅前に到着した(写真左上)。ホテル・ラルヴに着いたのは10時頃(写真右上)。チェックインには早すぎる時間なので、荷物を預かってもらい、フローリアへの道を確かめてホテルを後にした。
大通りに出たら、モンブランの姿が近くに見えた。通りを外れたら、モンブランはより美しい姿を見せてくれた。紺碧の青空のもと白く輝く山稜が美しい。その青い空間にパラグライダーが気持ちよさそうに輪を描いていた(写真下)。風もなく、サラリとした暑さが心地良い。


大通りから見えるモンブラン

街はずれから見えたモンブラン

モンブランの上空をパラグライダーが飛んでいた

フローリアからの展望(ドリュー)

 フローリアへの道は、1本道。広くはないがしっかり整備された道だった。1度だけ複数の女性を乗せたトヨタのランクルが低速で追い越して行った。何となく面白くない気持ちで歩いていたら、今度は若い女性が駆け足で追い抜いて行った。若さって素晴らしい。青息吐息の我が身が情けなく思われたが、元気を貰えた気分になってひたすら登る。超スローペースの歩きだが、何とかなりそうだとの確信があった。幸いなことに木陰が多く気持ちの良い道であった。
 突然、道に太陽が照り付け、展望の良い場所が開けた(写真左)。道に沿って赤い日傘付きのテーブルが並べてあり、テーブルの横には色とりどりの花が咲いていた(写真下)。そこには展望を楽しみ乍らコーヒーやビールを飲み寛いでいる人たちの姿があった。それはフローリア経営の野外お茶席であった。


フローリアに咲いていた花々

◆花いっぱいのフローリア


花飾りが美しいフローリアの山小屋正面

花飾りが美しいフローリアの山小屋正面

 フローリアの山小屋は、沢山の花で美しく飾られていた(写真左/上)。


フローリアの植え込みの中にマネキン人形

フローリアの植え込みの中にマネキン人形

 花咲く庭にマネキン人形を座らせているインテリアは、斬新で楽しいものであった(写真上/右)。マネキンが瞬きもしないで眺めている方角には、ドリュの鋭峰と針峰群が並んでおり右端にはモンブランの姿があった(写真下)。


フローリアからの展望(ドリュ)

フローリアからの展望(針峰群)

望遠鏡を覗けば、登山者の姿が見えるのかもしれない。僕らも木陰のベンチに腰掛け、ビールをオーダー。それは乾いたのどに格別の旨さで沁み渡った。パンとジュースで昼食を済ませ、テーブルも借りてスケッチに取りかかった。


フローリアからの針峰群

◆オーナーに頼まれてドリュを描く

 絵を描き始めた僕に、オーナーが声をかけて来た。小屋に備えてある芳名帳に絵を描いてもらいたいと言うことだった。あんまり熱心に頼まれるのでOKと返事したら、早速芳名帳を持って来て、最後のページを開け、此処に描いてくれと言う。やむを得ない。大急ぎでドリュを描いて渡した(写真下)。喜んだオーナーは、お礼に売り物の絵はがきをプレゼントしてくれた。


山小屋のオーナーに芳名帳に描いて欲しいと頼まれたドリュのスケッチ

◆INOUEさんと再会

 4時半、ホテルに帰着。案内された部屋は、前回泊った部屋の隣りであった.窓を開けテラスに立つと、足下を大きな音を響かせ雪解け水が流れていた。街の中心を貫くアルヴ川である。
 シャワーと洗濯を済ませ、デイナータイムまで仮眠。懐かしい食堂でゆっくり食事を楽しみ、部屋に引き上げようとしたら、フロントから声がかかった。”お客さんにメッセージがありますよ”、と。
 INOUEさんであった。彼女は一足先に日本から一人でグリンデルワルドに直行し、僕らの到着に合わせてシャモニーを訪ねる、と約束していてくれた人である。それにしても、直接の訪問には驚ろかされた。
 取るものもとりあえずINOUEさんの待つ和食レストランに駆けつけた。久しぶりに会う彼女は、オーダーしたテンプラうどんに箸をつけるところであった。僕らより年配の彼女は元気一杯であり、そのヴァイタリティーには圧倒させられてしまう。(写真下)。


和食レストランにて一人旅のINOUEさんと再会

 言葉は不自由でも一人で旅が出来るのは、この携帯と必要なことが細かに記されているノートがあるからだ、と話してくれた。常に彼女を支えてくれる家族とグリンデルワルド在住の親切な日本人ホテルオーナーのサポートがあるからであると。だから、この二つは肌身外さず持ち歩いていると言う。納得である。彼女の案内で、彼女が泊っているホテルへ行った。

◆一大事!

 部屋に案内されて、暫く話しをしている内に、大事なノートがないことに気が付いた。真剣になって探したのに見つからない。一大事である。和食レストランでは確かにあったのだから、帰路確かめてみることを約束して別れた。店に立ち寄ったら閉店寸前、店長が応えてくれた。忘れ物のノートは、僕らのホテルに届けておいたと。ノートに記されていた僕らの名前とホテルを見つけたからだと説明してくれた。日本人店長であったことが幸運であった。
 困り果てているだろう彼女に電話をしたが通じない。歩いた道を探しているに違いない。急いで彼女のホテルへ向った。人通りも少なくなった通りを,俯いた姿勢で歩いて来る彼女の姿を見つけるのは容易であった。
INOUEさん! ありましたよ!
 ノートを掲げて手を振った。彼女の顔は一瞬にして、笑顔になった。よかった、よかった。どんなに嬉しかったことだろう。手を取り合って喜んだ。


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