★2005・スイス(イタリア・ドイツ)の旅
◆8日目(7月20日)晴れ 目次へ
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 7時起床、今日は気持の良い快晴。朝食に降りたが、広い食堂にはまだ誰も居なかった。 パン(篭入り)、ジュース、ベリー入りヨーグルト、チーズ、ティー。 セルフサービスではないので、遠慮なく余ったパンとチーズを頂き、アルファー米にお湯を入れて昼食の用意をしておく。
◆朝の散策
 2時間近く、スケッチブックを片手にソーリオの村を散策。坂を登っていたら、ウサギと出会った【写真右】。 近づいても逃げなかったから、近くの農家で飼われているのかもしれない。 見下ろすと、朝日に照らされて静かな集落の佇まいがあった【写真下・2点】。 草地の中に大きな岩があり、岩からの眺めが気に入って、腰を降ろしてスケッチブックを広げた。 下の方から声がするので、見れば、百姓らしい男が手を振りながら、其処には入るな!と叫んでいる様子。 畑ではないのだが、大事な牧草なのだろう。思いも掛けない拒絶に、いささかガッカリであった。やむなく退散した。
うさぎ
ソーリオ風景
ソーリオ風景
◆スタンパを訪ねる
 今日は、家内の提案でスタンパまで歩き、ジャコメッテイ美術館を訪ねてみることにした。 初めて歩くコースであるが、案内にはスタンパまでの標準タイムが1時間半とあり、地図を確かめてみると、 さほどきつくはなさそうな下りの連続である。10時頃、出発した。
朝の共同水場
静かな路地
 小さな集落の共同水場は朝の陽を受けて輝き、今日も溢れる水を使うおばさんの生き生きとした姿があった【写真上】。 石畳の道に人影はなかったが、狭い路地にも柔らかな光が目に優しく、集落は静けさに包まれていた【写真左】。 5分も歩くと、もう其処は村の外。すぐに視界が広がって爽やかである。 振り返ると、ソーリオの家並が見えた。以前、描かせてもらった懐かしい眺めである。 ひっそりと肩を寄せ合っている家々の姿が、喩えようもなく穏やかである【写真下】
ソーリオ遠望
◆花一杯の小道
 道標に従って、崖の縁に作られたスタンパへの小道を進む【写真下】。 右手は切り立つ崖、深い谷を挟んでブレガリアの山塊が連なる。素晴らしい眺めである。 道の両サイドは自然のお花畑が続き、さっさと通り過ぎるのは勿体なさすぎると思う。
 山並みに見とれ、花と遊ぶ蝶を追い乍ら歩いていたら、展望の開けた場所に出た。 格好の場所にベンチがあり、先客があった。村の男らしい二人が、顔を見合わせ乍ら、親しげに話しあっていた。 その後姿は穏やかなオーラをはなち、平穏な時の流れを感じさせていた。話す声は聞こえない。 多分、僕の気配も聞こえないだろう。自然と一体になったベンチの二人の姿に、しばし見とれてしまった【写真右】
スタンバへの小道を進む
男二人の静かな語らい
◆お花畑の中で
自然石を並べた急な坂道を下った
 緩やかな下りは、やがて急な下り坂になった。天然石を上手く使って作られた道は、転倒に注意しさえすれば、それ程ハードではない。 林の中を抜けるとき、木陰を渡る風が心地よい【写真左】【写真下】
木の橋を渡った


小さな谷川に架かる木の橋を渡り、プロモントーニョへの分岐点を過ぎてしばらく行くとお花畑があった。 その側に木陰を見つけて休息、そして昼食。お花畑の中で、「おかめ」も一緒に少しだけ寛いだ【写真下】【写真右】
「おかめ」お花畑の中に憩う
お花畑の中に憩う
◆美しい村:Coltura
 まもなくColturaの村。どの家も美しく花で飾られていた。入り口に可愛い小人が並んで微笑んでいた。 窓の美しい家は多いが、花冠に飾られた郵便受けは珍しい【写真右】【写真下・2点】。 ・・・何て美しい村だろう。こうした家々には、ぜったい意地悪な人は住んでいないだろう、と思ってしまう。 鶏はいたが、一人の村人もみかけないうちに通り過ぎてしまった。
可愛い小人たち
花と日時計
花に飾られた郵便受け
◆ジャコメッティ美術館
道しるべ
スタンパの街並
 舗装された坂道を下ると川が流れており、川沿いの集落がStampaであった【写真上・2点】。 橋を渡り、バス通りに面して建つ大きな建物が美術館のようである【写真右】。 橋のたもとの家の前にいた男性に尋ねてみたら、親切にいろいろと教えてくれた【写真下】。 Museumには、ジャコメッテイ美術館という名称はなく、Ciasa Grande(大きな家の意味だそうだ)とパンフレットには記されてあった。

親切な男、後ろはジャコメッテイの父親が住んでいた家
ジャコメッテイ美術館
 2時の開館を待って入館。やはり、ジャコメッティの作品のみを展示した美術館ではないことが分かった。 ブレガリア谷の歴史(地質学的、民俗学的)や動物の剥製が中心の、どちらかと言えば博物館であり、 その一部にジャコメッティー家の作品が展示されているのであった。 受付のおばさんが親切に教えてくれたので、初めてジャコメッティ一家が、芸術家として名をなしていたことを知った。 勿論、最も有名なのはアルベルトであり、100フラン紙幣に彼の顔が印刷されている。 展示されている作品は、彼の父の作品が多く、いささか期待はずれであった。
 バスがくるまで、村の中を散策。厚い石壁に開けられた小さな窓に花が飾られていたり、 素敵なガーデニングの庭に見とれたりした【写真下・4点】
小さな窓にも小さな花飾り
アンテイークな花飾り
アンテイークな花飾り
鳥の巣を模した花飾り
◆村一番のビューポイント
 16:23のバスに乗車、プロモントーニョで乗換え、ソーリオへ。
サン・ロレンツオ教会の墓地から東に聳えるブレガリアの峻険な山並みを眺める【写真下】。 この山頂から朝日が顔を出し、沈む夕陽を受けて赤く染まる。 この山塊がこの村のスターであり、その一番のビューポイントが、この墓地だと思う。 そんな特等席を花で飾り、故人の霊を大切にしている村人の優しさを思う。 時刻は5時半を過ぎたが、まだ夕暮れには早すぎる。ここからの景観を絵にしようと思い立った。
 19:00からディナー。昨日より、レストランは繁盛しており、何となくホッとする。
(鮭のパイ包み、スープorジュース、サラダ、ビーフストロガノフ、ブドーとシャーベット)
22時、ベランダに出て見たら、満天の星。明日も良い天気になるだろう。


教会墓地からの眺め
ライン


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