★晴ればれ・2004・スイスの旅

◆17日目(9月5日)快晴

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◆山頂の朝

 夜明け前、5時。南側の窓を開けてみたら、青い空間に三山の姿が見えた。防寒着を身に着け屋上に出た。寒さに眠気がふっ飛んだ。稜線の中央にユングフラウヨッホの灯りが小さく見える【写真・下】。明るくなれば、今日も大勢の観光客で賑わうことだろう。耳を澄ませてみたが、何処からも微かな音すら聞こえてこない。山も人も生き物すべて、まだ眠りの中である。間もなく、夜が明ける。


夜空に三山の姿


ブライトホルン

 6時50分、東の空から光が射し始めた。まずメンヒの頭が朝日に染まり、次にアイガーの東壁が、そしてユングフラウ。その奥に聳えるブライトホルンに朝陽が当たるようになったら、山全体が逆光に白く霞んでしまった【写真・左/下】。7時、西の空は淡いピンク色に染まったが【写真・下】、期待していた光の演出は色彩に乏しいままに終わってしまった。


朝陽が顔を出した

西の空の朝焼け

山腹道の向こうにブライトホルン

 ホテルの裏山に登った。朝日を浴びる東斜面に刻まれたトレイルをゆったり散歩。朝の空気が美味しい。突然、眼の前に灰色のうさぎが現れたので吃驚した。うさぎも驚いたように立ち止まったが、すぐに小道を横切り、草むらに消えた。1日の始まりである。小道の遥か前方には、輝き始めたブライトホルンの姿があった【写真・右】

 8時過ぎ、食堂に出掛けて朝食。三山は,逆光に霞んでよく見えない。もう少し陽が高く登れば、すっきりとした姿を見せてくれるだろうと思う。しかし、今日は、クール駅で友人と再会する約束をしているから、ゆっくりはしておれない。9時14分、ホテルの下の方からヴィルダースヴィルからの一番電車が登ってきた【写真・下】。後ろ髪を引かれる思いでホテルを後にした。


朝日を浴びて一番電車



◆専用電車


誰も居ないシーニゲプラッテ駅
 
 駅には、人影なし【写真・左】。まもなくやって来た電車から、賑やかにお客が溢れ出た。思えば、今日は日曜日。しかも、絶好の行楽日和である。日本からやってきた団体さんが大半を占めていたように思う。あっと言う間に人影は消え、ガランと静かになった客車に乗り込む。折り返し下る電車の乗客は、我々2人だけである。まるでチャーターした専用電車のようでもあり、さあ、この山の観光はこれから、という時間であることを思うと、何となく残念な思いもして居心地が悪い。10:01発車。途中ですれ違う電車も満員の乗客ではち切れそうであった。今度、何時また来れるであろうか。そんなことを思い乍ら過ぎ行く景色に別れを告げた【写真・下】

遠ざかる三山の眺め

乗客は我々だけ

ブリエンツ湖が見えてきた

 

◆友人の待つクールへ


ブリエンツ湖畔を走る

山間の湖

クール駅に到着
 
  10:53、ヴィルダースヴィルに到着。クールまでの切符を買う。インタラーケンオストで乗り換え、ブリエンツ湖に沿って走る。懐かしい眺めだ【写真・左上】。マイリンゲンで列車は逆方向に走り始め、Luzernに向って登り坂を進む。ぐっとスピードが落ちる。いくつかの湖【写真・左中】を過ぎるとルツェルン駅に着いた(13:24)。10分の待ち合わせで13:35発。まもなくチューリッヒ湖が右手に見え始め、36分でThalwil駅に到着。此処が最後の乗り換え駅。14:21発のクール行きに乗る。意外に空席が少なく、2階建て車両の上階に上がった。半円形になった座席があり、円形テーブルもあって便利である。忙しい乗り換えでいささか疲れたが、もう安心である。車内販売のコーラで喉を潤した。列車は、ほぼ定刻にクール駅に到着した【写真・左下】。約束通り、ホームに2年振りに会う圭子さんの姿があった。

 駐車場で待っていてくれたハンスとも再会を喜びあって握手。彼の運転でフリムスまで、およそ30分のドライブ。圭子さんが、確保してくれたホテル・グリシューナへ案内してもらう。

◆懐かしのフリムス

 ホテルは、今日と明日は休みだそうで、オーナーも不在。玄関には鍵が掛けられていた。鍵を預かっていた圭子さんが部屋に案内してくれた。バルコニーに椅子を持ち出し、明日からの予定について打ち合わせをする。

 今夜と明朝の食事は、レストランChesaで。明日の夕食は、圭子さん宅で。明日は、BARGIS, CRAP SOGN GIONなどへ、彼女が案内してくれるとのこと、そして、7日はサン.モリッツへ4人でドライブに行こう、と。彼女は、自分の携帯を連絡用にと言って置いて帰っていった。心のこもった歓待に、感謝感激である。

 7時過ぎ、ホテル・レストラン:Chesaに出掛けた。ホテルを出る時、電気を消して玄関に鍵を掛ける。れっきとした三ツ星ホテルに泊っているのに、こんな体験をするなんて、前代未聞のことではなかろうか。突然、ホテルオーナーになってしまったような、変に落ち着かない気分だ。

 歩いて5分位、レストランは前回泊ったホテル・ミラバルの下であった。ディナータイムで賑わっており、二人のウエイトレスが忙しそうに働いていた。ホテル・グリシューナに泊っていると告げると、直ぐに窓辺の予約席に通された。

 ビールを注文。前菜(カーフのカルパッチョ)、野菜のコンソメスープ、ポークステーキ、デザート(チョコレートアイスクリームとオレンジに赤いソース)が、次々と運ばれてきた【写真・下】。どれも器が大きくて、見ただけで満腹になってしまう。


カーフのカルバッチョ

野菜のコンソメスープ

ポークステーキ

デザート

 ウエイトレスは元美人と、品のある顔立ちの若い人。応対の感じも良く、気持ちよく食事がすすんだ。ヒゲのシェフが、『美味しいか?』と聞きに来た。申し訳ないが、メインはかなり残してしまった。カロリーを気にしながらデザートはしっかり食べて、誰もいないホテルへ帰った。食べ過ぎたなぁ・・・と反省しながら。

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