★ 2001 ピレネーと北スペインの旅
スペイン国旗  ◆ 4日目(5月27日) 快晴 【旅の全体地図】 目次へ
目次
前の日へ
前の日
次の日へ
次の日
【本日の旅程】=アンドラ→セオ・デ・ウルヘル→ヴィウ→タウール→アルティエス(泊)

 8時過ぎ、ホテルを出発した。途中、国境の検問所で停車、検問は簡単に済んだが、入国より出国の方が厳しいようである。確認の為に係官がバスに乗ってきた。カメラを向けたら、恐い顔して拒否された。何故かな?


◆ セオ・デ・ウルヘル
 8時45分。セオ・デ・ウルヘル<Seu de Urgell>に到着。
11世紀から12世紀に建てられたサンタマリア大聖堂聖ミカエル教会【写真】を見学した。いずれも、創建時のロマネスク様式の殆どは後の改築により残されてはいなかった。しかし、祭壇にはキリスト教布教の為の大きな物語絵が掲げられてあった【写真】

写真をクリックすると拡大画像が見られます
聖ミカエル教会
写真をクリックすると拡大画像が見られます
祭壇の物語絵

◆ ヴィウ
 11時半、2時間程、山中のカーブの多い道をひたすら走り、ヴィウ<Viu>と言う小さな村についた。標高1320m、バスを停めてもらい、緑の畑地に降り立った。そこには爽やかな空気が流れており、胸一杯爽快な気分を味わった。丘には赤い屋根の農家が点々と建ち並び、中程には教会の尖頭も見えた。その向こうに、白い雲と青い空に包まれて、雪を頂くピレネーの山並みが美しく展望出来た【写真】
写真をクリックすると拡大画像が見られます
ヴィウ村風景
【油彩画の完成作品はこちら】
【水彩画の完成作品はこちら】

◆ タウール
 12時半、タウール<Taull>に到着。
ボイの谷を遡った、ピレネー山中深くに在る小さな村である。この村にロマネスクのサンクレメンテ教会サンタマリア教会が在った。25日の日記にも記したように、カタルーニア美術館に持ち去られてしまった『全能のキリスト』『聖母子像』はこの教会にあったものである。したがって、現在ある壁画はレプリカでしかない。少しだけ残っている絵もフレスコで描かれたものであるので、カメラ撮影は禁止であった。しかし、この二つの教会は、今年の4月ユネスコの世界遺産にめでたく登録されたということであった。建物だけでもそれだけ高く評価されたのだから、その上実物の壁画が残されていたら、どんなにか貴重な世界遺産として大切に保護されることになったことだろう。そして、世界中から関心のある人たちを呼び寄せることになったに違いないと思う。地元関係者の口惜しがる気持ちが察せられた。

 昼食は、此所より更に高所に建つスキーリゾートのホテル『TORES CORONA』で頂いた。大規模な建物であったから、さぞ冬期には賑わうのであろう。此所から、アイギストルテスの山並が近くに展望出来た。明日は、この山懐に行く。
写真をクリックすると拡大画像が見られます
エニシダの黄色い花々
画像をクリックすると拡大画像が見られます
サンクレメンテ教会の方塔のスケッチ→
【水彩画の完成作品はこちら】   

 再度タウールの村に下り、サンキルセ礼拝堂を見学した。それは小さな石造りの1室しかない建物であり、村からひときわ離れた山中に建てられてあった。祭壇の後ろの少しの隙間窓しかない暗い室内は、修道士がひたすら祈りを捧げる為だけに造られた修行所であることを示していた。ロマネスクはそんな時代であったのだと実感させられた。礼拝堂近くから眺めるボイの谷は静寂に包まれており、そこかしこに群生して咲きほこるエニシダの黄色い色は強すぎて、相応しくない色調に感じられた【写真上】

 13時半〜16時。サンタマリア教会の見学はキャンセルして、サンクレメンテ教会のロンバルデイア様式の背の高い方塔を、スケッチブックに収めることに専念した【写真上】

◆ アルティエスへ
 17時頃、ビエリヤトンネルを通過、今夜の宿泊地;アルティエス<Arties>へ向かった。このトンネルは長さが5280mあり、スペインでは一番長い。世界では15番目だそうだ。1時間余りで、アルティエスのパラドールに到着した【写真】
 20時半、夕食。コンソメスープ/マスのボイルのアーモンドがけ、ケーキ/コーヒー。夕食が済んだ後も、まだ外は明るかった。
写真をクリックすると拡大画像が見られます
アルティエスのパラドール→

ライン


ホームへ
HOME
目次へ
目次
前の日へ
前の日
次の日へ
次の日