◆ シルス・マリア <Sils Maria>
シルス・マリアの観光馬車 |
「もしも老年の最後の日々を、どこですごしたいか、ひとつ選べと言われたら、私はためらうことなく答えるだろう、シルス・マリアと。シルスの湖畔と。」
犬養道子氏が『私のスイス』の中で絶賛していた村である。だから、イメージとしては素朴で静かな美しい村であり、いかにも哲学者ニーチェが滞在するのに相応しい村であった(1881〜1888にかけて滞在)。いつの日にか訪れてみたいと思ったことであるが、そのエッセイの最後の部分にこんなことが記されてあったのは皮肉である。
・・・・・「書いてくれるな」と、シルスをこよなく愛する友が言った。「書いたら、人が来てしまう」・・・・・。
気ままなのんびり旅である。この村でバスを途中下車し、しばし散策することにした。町の中心の通りには観光用馬車が、蹄の音を響かせ乍ら行き交っていた【写真】。お土産屋が目につき、何よりも観光客の多いのに驚いた。 |