★ 2000 阿蘇周辺の旅
 ◆ 2日目(5月9日) 【旅の全体地図】 目次へ
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【阿蘇拡大地図】
【本日の旅程】=根子岳→高千穂峡→月廻り公園、らくだ山公園→南阿蘇国民休暇村(泊)

5時半起床。2階の部屋から、正面に根子岳の夜明けを眺めました。


◆ 根子岳 ねこだけ
  左手に並ぶ高岳・中岳の方が一足早く朝日を受けて赤く染まり、次いで根子岳(1484m)が明るく輝き始めます。その瞬間の連続を網膜に焼き付け乍ら、根子岳の写生に集中しました。

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高岳 朝陽
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根子岳 朝陽

 朝食前に1枚描く事が出来て、今日はラッキーなスタートです。

阿蘇五岳の中で、この根子岳が最も個性的な姿をしています。東西方向に凸凹の尾根が連なり、大観峰から眺める時、お釈迦様の横顔に見立てられている山です。『根子岳』の名前は、地球の根ッ子が露出しているように見えるから、という説があります。


◆ 根子岳の昔話
 町の観光チラシにこんな事がかいてありました。『阿蘇五岳は兄弟山で、長男が高岳、次男が中岳、三男が烏帽子岳、四男が杵島岳、根子岳が五男。末っ子の根子岳は背も一番小さく、チビチビと馬鹿にされるので、なにくそとムクムク頭を持ち上げ、何時の間にか一番背が高くなり威張りだした。親の命に対しても素直でなくなり目に余る行状も多いので、わがままを叩き直す為に、先がバサバサになっている大竹で力一杯に叩かれた。頭上の凸凹はその時の傷痕だといわれている。』
 また、こんな話も。『根子岳を別名猫岳と言うのは、昔この山に虎のように大きい老猫が住んでいて、毎年阿蘇谷と南阿蘇谷の猫を召集して会議を開いたからです。そして、この会議に参加した猫は、耳が二つに裂けていたということです。』


◆ 宮崎交通の乗り合いバス
  地図を眺めていたら、宮崎県の高千穂峡がたったの40kmの距離にあることを再確認。しばらく我が故郷にも御無沙汰しているので、ちょっとだけ県境を越えて宮崎の空気を吸ってみたくなりました。国道265号線に乗り、高森峠をトンネルで潜り抜けておよそ20kmも走ったら宮崎県に入りました。カーブが続く細い山道で、安全速度で走行する宮崎交通の乗り合いバスに追い付きました。宮崎は、昔から海の青・空の青を誇りにしていますので、宮崎交通のバスは青色でデザインされています。懐かしい思いを楽しみながらバスの後に付いて走っていましたら、バスは路肩一杯に身を寄せ道を譲ってくれました。アリガトウ!クラクションを鳴らして追いこしましたら、後ろからドウイタシマシテ!クラクションがプイ!プイ!と。『あら、優しいんだ!』と助手席の家内が笑顔で感謝感激。『ここは、宮崎なんだぞ!』と、いささか誇らしげに僕。『宮崎の人間は、思いやりがあり優しいのが普通で当たり前なのですよ。』口には出さずにつぶやきました。


◆ 高千穂峡
 およそ1時間で高千穂峡に着きました。高千穂は神国日本として洗脳されていた戦前までは、天の岩戸伝説など神話の国として全国的に有名でしたが、もはや天孫降臨とか天照大神や神武天皇と言う言葉も次第に風化しつつあります。ところが先日、日本を代表する森総理大臣が『日本は天皇を中心とする神の国』と宣われました。心底驚きましたね!。60年位、タイムスリップしたような思いでした。『神話の国』を標榜している高千穂の人たちも、びっくりしたことだろうと思います。
 深く抉られて出来た渓谷には、自然が作り出した美しい景観や不思議な眺めなどがあり、各々に付された神話的な、或いは曰く付きの解説を読んでみるのも、想像力を刺激されて楽しめます。この渓谷で一番有名な我久井の滝を見下ろし乍ら写生していましたら、何度となくガイドさんに連れられた人たちが僕を取り囲む形で立ち止まり、何かと邪魔をしてくれたのには参りました。
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美しい渓谷の高千穂峡→


◆ らくだ山公園と月廻り公園
 お昼過ぎ、高千穂峡にお別れをして再度国道265号線を南阿蘇に向けて走りました、途中、木陰に駐車しておにぎりを食べたり、こいのぼりの泳ぐ風景を取材したりしながら高森に帰って来たら、時計は3時を回っていました。
 阿蘇展望の素晴らしさで、県民アンケートの第一位に選ばれたと言う月廻り公園に駐車。運転席から、芝生を前景にして阿蘇五岳の全貌を眺める事が出来ます。看板が建ててあり『新熊本百景第1位 神が授けた日本一の景勝地』と大きく書いてありました。午後の光線に陰影を刻まれ、また違った表情を見せている根子岳の写生をしました。
 道を横切り斜面を登ると、そこはらくだ山公園。冬、草が枯れると、山稜の凸凹が丁度らくだのこぶのように見えるので、この名前がついたようです。ここからの眺めも視点が上がった分、山麓の広がりが展望出来て雄大です。再び座り込んでスケッチブックを広げました。

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らくだ山公園からの根子岳の眺め

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