2007アルプスへの旅

◆15日目(8月28日)晴れ・曇り時々雨

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◆インスブルックへ


遊びにきた美形の猫

 7時、窓を開けると青空が広がっていたので、ホッとする。窓の下の草原に美形の猫が遊びにきた(写真左)。

 小鳥もやって来て朝のさえずりを聞かせてくれた。すずめより一回り大きい。初めて見る野鳥で、名前は分からない(写真下)。


朝のさえずりを聞かせてくれた小鳥たち


 9時、出発。すんなりとアウトバーン(A13)入り口に着いた。赤いボタンを押してカードを取り、ゲートをくぐる。インスブルックまで85kmの標識を確認出来てひと安心である。


走り易い高速道路、制限速度を守って走った

 高速道路を走り出したら、雨が降り出した。制限速度は最高110km、流れに乗って走る(写真右)。車は少なく、どの車も概ね100キロ前後で走っているので緊張することもない。一般道に比べて安心して走れるし、利用料も低額(3.4ユーロ:540円)なのがうれしい。


ブレンナーの標識とプラットホーム

 ブレンナー峠近くで、トイレに寄りたい、と家内。国境という場所がら、サービスエリアがあるだろうと思っていたら、タイミングよく↓の表示が現れた。サービスエリアへの案内だろうと思い、矢印に従って本線を外れた。すぐに気付いたことだが、それは一般道への出口であった。仕方ないのでそのまま走る。事態は切迫している様子だったが、公衆トイレなどあるはずはない。ましてや隠れて用の足せる状況でもない。なす術もなく走り続ける。間もなくブレンナー駅の前を通過した。そうだ、駅のトイレを借りよう!  路肩に緊急停車。小雨の中、傘もささずに彼女は駅へ向って走った。危ういところであったらしい。  


ブレンナー駅

 思いがけないことで、旧道とブレンナー駅に立寄ることになった。一度は訪ねてみたいと思っていた駅舎ではある。鉄道大好きの家内は、駅舎や駅前商店街を散策、往時の峠を偲ばせる雰囲気などは望むべくもないが、大きな果物店などをカメラに収めて満足そうであった(写真上・右・下)。


ブレンナー駅前の果物屋

 3km位走った所で、再度アウトバーンに乗る事が出来た。ヨーロッパ橋を通過する頃、天候が回復したのでホッとする。昨夜調べておいたインスブルック南出口でアウトバーンと別れ、レオポルド通りを直進する。街中の道路地図は昨夜しっかり脳裏に刻み込んでおいたので、1カ所進入禁止の為ルートの変更を余儀なくさせられたが、迷うこともなく走ることが出来た。我ながら、良く出来たぞ! と、内心ニンマリしていたら、最後の最後で無念な思いをさせられた。目的のハーツの営業所が、イメージに反して道の反対側であったことである。ともあれ、約束の時間までに無事到着出来てハッピー。少しの擦り傷も付けないで返すことが出来て満足である(写真下)。


ハーツ事務所から見たインスブルック駅前

◆旧市街を散策


斬新なデザインのホテル・PENZ

 12時、返却の手続きを済ませ、知人の紹介で予約済みのホテル・PENZに向う。ひどく暑い陽射しの中を、ザックを背に荷物を転がし乍ら歩く。凡そ10分。ホテルは旧市街に近く、観光には便利な場所にあった。
 全面ガラス張りのモダンな外観であるが、ホテルの向かい側に建つ古く重厚は建築を映してうまく調和を取っている。見事である(写真右)。カウンターのお姉さんが、にこやかに歓迎してくれた。

 部屋は冷房が効いていて、ホッとする。持参のサンドイッチで昼食。窓から見える空が、何時の間にか雲に覆われてきた。一息つけたので、とりあえず、カメラだけ抱えて旧市街を散策してみることにした。
 先ずはイン川の畔に立ってみた。その昔、此処から眺めた街並が強く印象に残っていたからであるが、改めて対岸に並ぶパステルカラーの家々を美しいと思った(写真下)。

河畔に沿って並ぶカラフルな建物

 旧市街は、沢山の観光客で賑わっていた。通りに張られたテントの中も食事を楽しむ人たちで埋まっていた。黄金の小屋根が付く建物の前は、記念写真を撮る人たちで混雑していた。その雑踏の中に、彫像のようにして立つ女性の街頭パフォーマンスが、観光客の目を集めていた(写真下)。

彫像のように立つ女性

敬意を表してコインを投じたら、女性はにっこり会釈を返した

記念撮影
 さすが歴史ある街の佇まいである、建物の外観には、それぞれ趣きがあり、壁の装飾、店の看板などを興味深く眺めた。時刻は2時半、まだ時間はたっぷりある。雨の心配もなさそうなのでホテルに引き返し、今度はスケッチ用具を抱えてイン川の畔に立った。氷河を溶かして流れる水は濁っているが、河畔に沿って並ぶカラフルな建物をより興味深く眺めた(写真下)。

テントの中もお客が溢れていた


壁面のデザインが面白い


軒先を飾る看板も面白い

旧市街で一番古い建物

 写生を始めて暫く経った頃、酒に酔ってご機嫌な男が横に立ち、何かとうるさく話しかけてくるのには閉口した。親指を立て顔を上下に動かし乍ら大声でしゃべる。様子を見て誉めてくれているのだろうとは思うのだが、邪魔するな! とも言えず、往生した。昼間の酔っぱらいは、始末に負えない。


 今夜のディナーは、持参のアルファー米に日本茶とリンゴ。これで充分である。無事に車を返した解放感もあり、バスタブで疲れを癒したあと、ゆっくりテレビを見乍ら寛いだ。


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