2007アルプスへの旅

◆10日目(8月23日)曇りのち雨

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◆コルチナへ

 朝食の後、若い日本人カップルに、コルチナのこと、外車の計器盤やギヤの特性について教えてもらった。疑問に思っていたことが解消されたので、より安心して運転を続けることが出来そうだ。ホテル前で記念撮影。絵葉書と名刺をプレゼントして別れたが、この時になって初めてカップルの名前が中村夫妻であることを知った。来年の個展には伺いたい、と言ってくれたが、果たして連絡を取ってくれるだろうか? もしも、実現出来れば嬉しい限りである。

 ノロノロ走るバスの後について、トレ・クローチ峠(1805m)を越え、細くカーブの多い山道をゆっくり下りながらコルチナへ向う。街中は恐れた通り混雑しており、道が分からない。交通量が多く、路肩に停車して確かめることも許されない。一度街外れまで走り出て停車、地元の女性に道を教えてもらった。

 天候も悪いので、寄り道しないで真っ直ぐPocolを目指すことにした。

 コルチナの中心からおよそ6km。小高い丘(1480m)に建つHotel Villa Argentina 。このホテルは、事前に打診した際、大変感じの良い対応をしてくれたので、早くから3泊予約していた宿である。ミズリーナでの滞在を1日延ばしたので、今日・明日の2日間に変更したが、其のことは昨夜了承してもらった。誠実にそれらの対応をしてくれた人物がニコレッタ。挨拶をしようとしたが、留守であった。

 この丘は、コルチナを一望出来ることでも有名なので、散歩で出掛けようとしたが雨。やむをえない。TVをみたり昼寝をしたり。


◆11日目(8月24日)晴れ


◆モルゲンロート


トファーネ山のモルゲンロート

 3時、星空が見えた。
 6時、モルゲンロートが始まった。トファーネ山の頂き部分が赤く染まった(写真左)。ホテルの裏手に聳えているので、部屋の窓からは全体を見ることが出来ない。カメラを抱えて外に飛び出した。

 

 今朝は、雲一つない快晴。冷えきった山の空気が気持よい。陽が昇るにつれ、刻々と変貌するトファーネ山に見とれてしまった(写真下)。


トファーネ山

トファーネ山とホテル

草原のキリストに朝の光

 ホテルから距離を置いて眺めようと丘を移動した。丘は、朝露に濡れた草に覆われていて、スニーカーはたちまちずぶ濡れ、気が付くと靴下もしっかり濡れていた。丘の外れにキリスト像があり、足元に飾られた赤い花が朝の光を受けて輝いた(写真左)。今日は、いい1日になりそうだ。

 


 

◆ファローリアへ

 7時半〜、朝食。フロントの男性が、バスの時刻表をくれた。昨日のことを思い、コルチナへはバスで行くほうが安全だし効率的だろうと判断。男性の勧めに従うことにした。先ずはファローリアへ行くことに決め、フロントでバスの切符を買った(一人:1ユーロ)。バス停はホテル前、小型のバスは定刻に発車した。

 10分程で、コルチナの中心:ローマ広場に到着した。観光案内所に寄って地図をもらい、ロープウエイ乗り場への道を聞いたが不親切な教え方だった。通行人に尋ねながら、何とか辿りつくことが出来た。乗り場前の駐車場は満車であった。やはり、バスで来てよかったと思う。

 10時発のゴンドラリフトに乗る。小さくなっていくコルチナの街を見下ろし乍ら、無事ファローリア山頂に到着出来た(写真下)。 少し雲が出てきたが、申し分のない展望である。正面に見えるクリスタッロ山(3216m)は、正に雄大。その右手奥にはトレチメの姿があった(写真下)。

ゴンドラリフトからの眺め

遠くにトレチメが見えた
<↓画像をクリックすると別ウィンドウでパノラマ画像が開きます>

クリスタッロ山パノラマ

 駅舎の日陰に二人並んで座り、クリスタッロ山と対峙した。家内は「私には難し過ぎるかな・・・」と呟き乍らスケッチブックを開いた。1時間余り、お互い写生に集中。一段落して彼女のスケッチブックを覗いてみたら、懐かしいトレチメの姿が鉛筆で丁寧に描かれていた(写真下)。


クリスタッロ山


家内が描いたトレチメ、秀作である。

 12時すぎ、陽の当る場所に移動。クリスタッロとトレチメを眺めながら昼食を摂る。サンドイッチ、バナナ、パイに白湯、相変わらずの粗食であるが、これで充分満足である。風もなく穏やかで気持良い時間がゆっくり流れた。

 午後の展望がよいと紹介されているトファーネ展望台に登ってみようと、下りのロープウエイに乗った。タッチの差でトファーネ・ゴンドラ駅行きのバスに乗り遅れ、次の便まで30分ベンチで待つ。見上げるとファローリアの姿は色褪せて今イチ。空も高曇りとなり陽も射さなくなった。トファーネ展望台へ行く気力が薄れ、同時に何故か、強い疲労感に襲われ座っているのが辛くなった。ザックを枕にベンチに横になる。しばらく眠ってしまったらしい。

◆市内散策


礼拝堂

 トファーネ展望台に行くのは取りやめ、ローマ広場に向った。此処でも街の中心は教会。帽子を取って中に入ってみた。清楚だが格調高い雰囲気。壁面のフレスコ画も気品を感じさせるものであった(写真右)。 イタリア大通りにはフルート奏者が美しい音色を響かせ、足元に控える白い大型犬が目を細めて聞き入っていた(写真下)。


イタリア大通り

 

 ほとんどの店が4時までclosedの所為か、そぞろ歩く観光客の数は少ないように思えたが、さすがヨーロッパのお金持ちが集まる有名観光地である。通りに並ぶ建物がそれぞれに美しさを競い合っていて見る者を飽きさせない(写真下)。


美しさと個性を競う町の建物-1

美しさと個性を競う町の建物-2

美しさと個性を競う町の建物-3

 ローマ広場発:5時のバスに乗車。ホテルまで乗客は我々二人だけであった。これでは、タクシー乗車と同じようなもの。しかも、低料金だからうれしい限りである。
 7時半〜ディナー。早めに入浴。
 明日は、ポルドイ峠の山岳ホテルに泊ることに決め、携帯で交渉。 簡単にOKの確約を取ることが出来た。


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