★晴ればれ・2004・スイスの旅
◆4日目(8月23日)晴れ 目次へ
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◆バルムの小屋へ


ル・トゥールのリフト駅
 
  足腰に、少しだが昨日の疲れが残っていた。今日は、のんびりしようかなとベットの中で思う。しかし、カーテンを開けてみたら青空が広がっていた。今日も頑張らなくては!と思う。あらかじめ考えておいたコースの一つ、バルムの小屋まで行ってみることにした。

 昨日と同じ9時のバスに乗る。ル・トゥールまで約25分。リフト駅前には、以前泊ったことのある懐かしいホテル・オリンピックが健在であった。思い返せば、飛び込みで泊り二つの部屋を使わせてもらった記憶は鮮明だが、それから6年もの月日が経っている・・・、改めて感慨深く思う【写真・左】

◆ビューポイント


リフトからの眺め


  動き出したリフトから振り返り、遠ざかる駅舎を見下ろしていたら、正面にモン・ブランが姿を現した【写真・左】。前回来たときは、雲に邪魔されて見ることが出来なかった景観である。新鮮な出逢いに感動する。急遽、途中の駅:シャラミヨンで降り、ビューポイントを探した。駅前にあるレストランからの眺めが気に入り、此処に腰を据えることにした【写真・右下】。幸い、店は未だ開店の準備中であり、日陰になる軒下を借りて写生に取り組んだ。


モンブラン



  30分位経った頃、日陰がなくなった。見れば、庭には沢山のテーブルと大きなパラソルが備えてあった。未だお客の姿はない。無料で借りるのは申訳ないのでコーヒーを注文、安心してテーブルと椅子と日傘を使わせてもらった。

◆国境に立つ

 テレキャビンでコル・デ・バルムへ上がった.此処からバルムの小屋までは、平坦な道を15分位。広がる展望を楽しみ乍ら歩いた。
峠に近づくにつれ風が強まった。其処はフランスとの国境であり、フランス側の谷から吹き上がる冷たい風に晒されて、バルム小屋と小さいがどっしりした石の標識が立っていた【写真・下】


国境に建つバルム小屋

此処から南側がフランス

此処から北側がスイス

 バルム小屋の横にある小高い丘から展望を楽しんだが、何しろ風が強い。風当たりの弱い斜面を探した。日当たりも良い窪地を見つけて腰を下ろし、持参のパンとジュース、バナナやチーズで昼食にした。

 腹ごしらえが出来たところで、バルム小屋を描かせてもらうことにした。見つけたポイントは、日当たりはよいのだが、強い北風が容赦なく体温を奪っていく。防寒ヤッケを被り、画用紙が飛ばされないよう注意しなければならなかった。その上、斜面での無理な姿勢を強いられ草臥れた。

 シャラミヨンで、再度ベンチに座って一息入れた。時計は2時を回っていた。午後の日差しの中、モンブランには雲がかかり、ぼんやりとした姿に変貌していた。眼前に聳える赤い針峰群を描かせてもらったが【写真・下】、雲が増え風も強まり、此処に留まっていても、もはや美しい景観は期待出来そうにないと思われ、腰を上げた。


赤い針峰群

◆グラン・モンテへ

 ル・トゥール駅前から、2:45発のバスに乗車した。窓外に動く山並みを眺めていたら、このまま帰ってしまうのはいかにも惜しい・・・未だ陽は高いし、青空が見えているではないか・・・気が変って、グラン・モンテに行ってみることにした。

 アルジャンチエールを過ぎて一つ目のバス停で下車、すぐ前がロープウエイの駅舎であった。駐車場には沢山の車が在るのだか、人影がなく、切符売り場もシンと静まりかえっている。出て来た中年女性に聞くと、クローズではないと言う。頂上の様子をモニターTVで確かめ、問題ないと言うので、切符を買ってゴンドラに乗り込んだ。しかし、なかなか動かない。我々2人だけだからかな?と思って待つうち、次々と乗客が乗り込んできて満員になった。それでも動こうとしない。何故?

 係員がやって来て、説明した。頂上の駅からの連絡で、「風が強くなり危険だから運転は停止する」という。仕方がない。切符の払い戻しをしてもらい、近くのレストランでビールを飲みながら、次のバスを待った。

 予定時刻を大幅に遅れてやって来たバスは、超満員。やはり、強風による予定変更が原因なのだろう。案内所に立ち寄り、明日の天候予報を聞いた。確信ありげに「悪くなるだろう」と言う。明朝、チェックアウトする決心がついた。荷物の整理を済ませ。ワインの残りもみんな飲み干した。

ライン


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