★ 2001 新春ネパールの旅
ネパール国旗  ◆ 3日目(1月15日) 【旅の全体地図】 目次へ
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【本日の旅程】=ナガルコット→カトマンズ(エベレスト遊覧飛行)→(陸路)→ポカラ(ホテル泊)

 5時起床。カーテンを開けてみる。未だ満天に無数の星が煌めいていた。
6時朝食。パンケーキ、オムレツ、ほうれん草、ソーセージ、ティー。


◆ ナガルコットの朝
 食事は簡単に済ませて、出発の準備を整えた。今日の予定は、まずヒマラヤの遊覧飛行である。予約してあるフライト時刻に間に合わせる為には、日の出時刻を待たずに山を下り空港に急がねばならない。ガイドが空港に問い合わせてみたら、6時半の第1便は濃霧の為フライトが遅れているとのこと。その分我々の第2便(8時20分)も遅れることになった訳だ。此所からの出発時間を遅らせて、この丘で夜明けを待つことになった。
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   明け行くナガルコットの丘↑ と日の出→

 皆、凍れる展望台に立ち、期待に胸弾ませてご来迎の瞬間を待った。改めて東の方角を確かめ、次第に明るく明けゆく空を見守った。しかし、昨日の夕刻と気象状況はさして変わらず、朝靄に淡い色調の夜明けになってしまった【写真】。ヒマラヤの山並みは、期待に反してしばしの時間だけ、夢のようにぼんやりとしたピンクの山容をみせてくれただけであった。神々しいまでにすっきりと朝陽に赤く染まるヒマラヤの展望を期待していたのだが、今回も夢を果たすことは出来なかった。実は、今回でこの場所に立つのは、3度目なのである。3度目の正直という言葉にも期待していたのだが、残念である。しばらくして、東の空にゆっくり朝陽が霞む姿を見せた【写真】


◆ ヒマラヤ遊覧飛行
 陽が上がると霧は瞬く間に消え、ナガルコットの丘は雲一つない青空のもとに明るく輝いた。こんな好天ならば、遊覧飛行に問題はないだろう、と思った。
 ところが、丘を下った車は深い霧の中に潜りこむことになってしまった。いつものようにカトマンズの盆地は霧に包まれていたのである。
 空港に近づくにつれ、窓の外は明るくなっていくようだった。兎も角、チェックインを済ませることが出来てホッとした。第一便の遊覧飛行は、キャンセルになったらしい。霧が晴れさえすれば、すぐにも飛べることになった訳だ。国内線の待合室は、お客で溢れた。その内、部屋に陽が差すようになり、空港のはずれ迄、見通せるようになった。期待通り、搭乗が開始された。我々は1番目に待合室を後にすると、勇躍待っていたバスに乗り込んだ。バスはすぐに我らグループのみのチャーター機が待つ場所へ向って発車した。しかし何故か、20メートル位進んだ地点で停車、しばらくしてエンジンも止まってしまった。他の搭乗客を乗せたバスは次々と滑走路へと走り去って行った。どうしたことかと尋ねてみると、理由は分からないが搭乗機の受け入れ体勢が完了していないからだという。結局、バスの中で1時間余り待たされてしまった。
 遊覧飛行に飛んだのは、双発の30数人乗りCOSMIC AIR【写真】。座席は3列あったが、僕らのグループは21名であったから窓際の2列のみを使うことが出来た。機は軽々と離陸し、まだ盆地の上空に薄く残る霧を突き抜けると、ヒマラヤに向って真直ぐ飛んだ。雲一つない青空に点々とつながって見えた白い嶺々は、瞬く間に眼前に迫った。機は山脈に沿って東へ飛んだ。7000メートル級の山々が、ゆっくりした動きで次々とその優美な姿を見せてくれた【各写真】

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「COSMIC AIR」で遊覧飛行へ出発
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ランタン Langtang  7234m
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Dorje-Lakpa  6966m
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Gaurisankar  7146m
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Melungtse  7181m

エベレスト&ローツェ
エベレスト<Everest  8848m>(左) と ローツェ<Lhotse 8516m>(右)

 オー!とかスゴイ!キレイ!などの短い言葉を耳にし乍ら、ひたすらヒマラヤの展望を楽しんだ。以前にも一度小さなセスナ機で遊覧飛行をしたことがあるが、その時は氷河の上にもすれすれに飛んでくれて大喜びしたのを覚えている。しかし、より高性能の安定感ある機に乗って、まるで横一列に堂々と並んだヒマラヤ連隊をゆっくり頷き乍ら閲兵している、そんな感じの眺め方も悪くない。順番にコックピットからの展望も楽しませてもらえた。
 山並の東のはずれには、南東肩にローツェ<Lhotse 8516m>を従えたエベレスト<Everest;8848m>の勇姿が在った。さすがにヒマラヤの盟主である。他を圧し群を抜いて堂々たる姿に見えた【写真上】。機は此所でUターン。今度は右側にヒマラヤを展望しながら飛行し、無事空港に引き返した。およそ、1時間の遊覧飛行であった。


◆ ポカラへ
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峠のレストランで休憩
 12時半、ネパール第2の都市・ポカラ<Pokhara>へ向って出発した。今回は、峠を越える陸路を辿る。以前オンボロ車で辿ったことがある道である。未だ、道は整備の途中であり、前を走る車が巻き上げる土ホコリに苦しめられたことが思い出された。8時間余りのハードな道程であった。峠の茶屋は、地面に直接イスとテーブルが並べてあった。トイレを借りたら裏手の山に案内され、呆れたことも今は懐かしい思い出である。しかし、今や道は全線完全舗装であり、走り心地も快適なものである、とガイドは胸を張って言った。なるほど、途中で気持ち良く眠ってしまい、目覚めたら何時の間にやら峠を越えていた。峠を少し降りた地点に建つレストラン【写真】で休憩、本格的なチキンカレーに舌づつみを打った。トイレは、ドア付きの清潔な水洗式になっていた。


◆ フイッシュテール・ホテル
 ポカラまで、凡そ6時間のドライブであった。すっかり暗くなってしまった湖畔の道を走り、無事今夜の宿に到着した。以前にも宿泊したことのあるこのホテルは、ポカラでは最も由緒ある古くからの高級ホテルである。ポカラを訪れる世界の要人たちは、このホテルで休息する。日本の若きプリンスのお姿も世界の有名人と共に写真額に収められ、食堂入口の壁に飾られてあった。


◆ トゥンバ
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泡のお酒・トゥンバ
 「珍しいお酒を飲ませてくれる店がある」と添乗員が言うので、食後の一杯に出かけてみることにした。弱い酒らしいので女性も4人、好奇心もあって10人程が懐中電灯をつけて暗い道を10分余り。店は湖畔に在った。チベット人が経営する、その名も『ラサ・レストラン』。早速、メニューにはないらしい『トゥンバ』をオーダーする。それは、容器いっぱいに醗酵したアワ粒を詰め、それに熱いお湯を注ぐだけの素朴極まりないものであった。筒型容器の頭に二つの穴があり、その中にストローを差し込み、お酒?になったお湯を啜るのである【写真】。なくなれば何度でもお湯を注いでお酒が出来るの待って啜るのだが、次第に薄くなるのは仕方がない。極めてアルコール度の低い薄味の濁り酒?・・・つまり格別に美味しいものではなかった。しかし、味はともかく、以前は木製の趣きある筒型容器であったらしく、それを仲良しの二人が両の手で抱きながらストローでお酒をすすり合う、更に幾組かが揃って談笑すればより楽しさは盛り上がり、寒い夜長もほのぼのとして時の経つのを忘れたことであろう。

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