★ 2000 のんびり・スイスの旅
スイス国旗  ◆ 19日目(7月29日) 小雨 【全体地図】 目次へ
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【本日の旅程】=ダヴォス→クール(泊)、→マイエンフェルト「ハイジの村」訪問

◆ スイスアルペンポストマラソン
 今日は、第15回目になる国際マラソン大会の当日である。スタートは8時と聞いていたが、ホテルの朝食も8時からであり、5000人ものランナーが走るのだから、大通りを通過するのには時間がかかるだろう、とたかをくくっていた。それでも早めに食事を済ませて、通りまで出かけてみたら、何と、既に大方のランナーは通過した後であった。子供も走り、犬も走り、老若男女が約5000人、元気に走って行った。生憎の小雨であるが、完走出来るのは何人位なのだろう。出遅れたのか、中年のランナーが楽しそうに手を振り乍ら走って来た【写真下左】。間もなく最終ランナーが早くも疲れた様子でやってきた【写真下右】。お年をめした婦人であったが、激励の拍手に送られて走る姿はしっかり決まっていた。後ろにはランプを点滅させながら走る警護の車を従え、更にその車の後には、規制されていた一般の車が沢山繋がっていた。


楽しそうなランナー

最終ランナーのご婦人

 10時09分の列車で、クール<Chur>へ向うことにした。この列車は、クロスタース<Klosters>を経由してダイレクトにクールまで行くことが出来るからである。11時40分、クール着。駅前の予約用電話でホテルを探す。「2つ星だが、食事が良い」とガイドブックに載っていたホテル「ドライケーニゲ」<HOTEL DREI KONIGE>【写真下】に予約を済ませた。ホテルは歩いて10分位の静かな場所に在った。このホテルは、歴史的にも興味ある穴蔵のワイン貯蔵所をもっている事で、有名らしい。見るからに、長い歴史を感じさせる造りであった。
 チェックインを済ませ、案内された部屋の窓から空を見上げると、青空がちらちら見え隠れするではないか。このまま快方に向うのかもしれないな・・・都合の良い方を期待してしまう。雨天の場合は、街中の散策にしようと思っていたのだが、天候が回復しそうだとなると思いは違ってくる。候補に予定していたマイエンフェルト「ハイジの村」を訪ねてみることにした。

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HOTEL DREI KONIGE


◆ ハイジの村
 マイエンフェルト<Maienfeld>は、スイスの女性作家、ヨハンナ・シュピリが1880年に発表した名作『ハイジ』の舞台としてあまりにも有名な村である。特に日本人の若い女性観光客には人気のスポットであると聞いている。その村の玄関駅マイエンフェルトはクール駅から2つ目、所要13分の近さであった。のんびり散歩するには格好の場所に違いないと思ってやってきたのだが、列車から降りたのは僕らを含めて四人だけ、駅前は閑散としていた。多分、天候の所為だろうと思う。空模様は、期待に反した動きを強めており、黒い雨雲が大きく広がりながら迫ってくるのが見えた。
 今さら仕方がない。歩ける所までいってみることにして、「ハイジの村」の一般的なコース(一周約40分)をのんびりたどることにした。

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ハイジの村の中心広場


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ぶどう畑と愛らしい民家
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閑散とした通り

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ハイジの泉

 村の中心広場にも人影はなく【写真】、街中も閑散としていた【写真】。標識に従って進むと一面ぶどうの畑になった。その畑の中に建つ民家も愛らしい【写真】。道は、林の中を進むようになったが、空は一段と暗さをまして、とうとうポツリポツリと降り始めてしまった。雨宿り出来そうな建物を探し乍ら歩いていたら、ハイジの泉に来てしまった【写真】。此所には小さな売店と公衆トイレがあったが、雨宿りする気にはなれず、ますます強くなりそうな雨足に見切りをつけて、帰途につくことにした。

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だまし絵のある家
 駅への鋪装道路を歩き始めたが、走る車の水しぶきが飛んでくるし、大きな観光バスもやってくるし危険である。やむなく道端に建っていた物置き小屋の廂を借りて雨宿りをする。40分待った。ようやく小降りになったので、再び歩き出す。幸い天候は急速によくなり、薄日さえ射すようになった。引返すことも考えたが、鋪装ではないかも知れない草地の道を思うとその気持ちは萎えてしまった。雨上りの気持ち良い道をのんびり歩いていたら、偶然面白い家を見つけた。通りに接したポーチの外から中を覗いたら、砂利道の突き当たりに立派な構えの玄関が見えた。いや、一瞬そう見えたのだが、何だか変である。改めてよく眺めてみたら、それは、壁に巧みに描かれた絵であった【写真左】。絵の前に造られた植え込みにまで念が入っている。これを造った人もそうだろうが、騙されかけた当方も思わずニンマリしてしまう。見事なだまし絵に出逢うことが出来て何だか嬉しくなり、駅までの足取りも軽くなった感じである。
 ハイジの村は又の機会、天気の良い日に訪ねてみたいと思う。
 夜7時。ホテル階下のレストランにてディナー。料理は期待した程のもではなくていささかガッカリしたが、レストランそのものは、全てがアンティークな造りであり、それがホテルの自慢でもあるらしく、素敵な絵はがきが作られてあった【写真右】。落ち着いた雰囲気は好ましく、ビール片手に十分味わい楽しんだ。 写真をクリックすると拡大画像が見られます
レストランの素敵な絵はがき →

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